大統領選挙の
被選挙権は35歳以上でかつ国内への在留期間が14年以上で、出生によるアメリカ合衆国
市民権保持者(合衆国市民の両親が海外で出産した子は対象となる)、または「憲法制定当時に合衆国市民であった者」。伝統的に
白人で
プロテスタントの
男性が大統領に選出されてきたが、
1960年には
カトリックである
ケネディが当選した。その後は、
有色人種や
女性は
二大政党(
共和党と
民主党)の大統領候補予備選挙に出馬することはあっても候補者指名を得るには至らなかった。しかし、
2008年の大統領選挙では黒人初の大統領候補として民主党の指名を受けただけでなく、米国史上初の黒人大統領として
バラク・H・オバマが当選している。歴代大統領にはイギリス系アメリカ人以外にも
アイルランド系アメリカ人、オランダ系アメリカ人、
ドイツ系アメリカ人、ギリシャ系アメリカ人などの非英語圏出身でも当選しており、そしてこのように
アフリカ系アメリカ人が初めて大統領になっていることから差別意識が薄れている事が窺える。また多民族国家のアメリカで様々な系統の大統領が就任するとその同じ系統の人種に大いに歓迎されている事がある。例えば
ロナルド・レーガンは
アイルランドで大歓迎を受け、バラク・オバマは奴隷の子孫ではないもののアフリカ系アメリカ人やその父の故郷
ケニアで歓喜に満ちていた。ちなみに多民族国家であるために姓もさまざまでイギリス系の姓のブッシュやオランダ系のルーズベルトなどで、そして初のアフリカ系のオバマはスワヒリ語圏のルオ族の姓である。
大統領の呼びかけの呼称(日本で言う「総理」)は「ミスター・プレジデント」(Mr. President)
[合衆国発足当時は「陛下」(Your Majesty) や「閣下」(Your Excellency) などが模索されたが、初代大統領のワシントンはこうした尊称で呼びかけられることを嫌ったため、より親しみやすい「ミスター・プレジデント」が定着した。]、略呼称は「サー」(Sir) で、大統領が女性の場合はこれが「マダム・プレジデント」(Madam President)、「マァム」(Ma’am) となる。アメリカでは退任した大統領も儀礼上は生涯大統領として接遇されるため、存命する元大統領も「ミスター・プレジデント」と呼ばれる
[この慣例はウォーターゲート事件の揉み消しスキャンダルで辞任したリチャード・ニクソンにも例外なく適用された。]。また11月初頭に大統領選で当選した大統領候補は、翌年1月20日までの約2ヵ月半のあいだ「ミスター・プレジデント・イレクト」(Mr. President-Elect、「大統領選挙当選者」) と呼ばれる。プレジデント・イレクトは、儀礼上はまだ大統領としては接遇されないものの、この約2ヵ月半は職務引き継ぎ期間として大統領に対するそれとほぼ同じ内容の「日例報告」を受けたり、
シークレット・サービスによる完全体制の身辺警護を受けるため、事実上大統領と同格の扱いとなる。