イギリス文学の範疇に含まれる文学
テキストは、8世紀〜9世紀頃に成立したものからしか残されておらず、従って周辺ヨーロッパ文学において
古代と呼ばれる時代に該当するテクストはイギリス文学においては存在しない。中世の前半期と呼べる8〜11世紀に
古英語が成立し、
現代英語の源流となっているが、その古英語で書かれたテキストとして、
叙事詩『
ベオウルフ』および
ラテン語福音書の東イングランド方言による翻訳が挙げられる。また、
ウェセックス王国の
アルフレッド大王が文教政策を推し進め、『パリ詩篇』や
ボエティウスの『
哲学の慰め』を自らラテン語から翻訳するなど、ウェセックス方言が古英語の標準となった。この時代は
韻文が主流であり、『ベオウルフ』を含め、
ゲルマン詩の特徴である
頭韻が顕著である。
また、中世のころから教会で行われていた
奇蹟劇、教訓劇はや次第に専門化され、そのためこぞって脚本が多く書かれた。
リリー、
ロバート・グリーン (Robert Greenr, 1558 - 1592) などの優れた劇作家が輩出され、
マーロウによって基礎が築かれた。リリー、グリーン、マーロウ、キッド(トマス・キッドは大学出ではないが同輩として扱われている)、トマス・ロッジたち、オックスフォード・ケンブリッジ大学の出身である、エリザベス朝における作家人たちを、大学才子(University Wits)という。彼らの作風や、当時流行していた大陸の詩などを学び、
シェイクスピアが成功をおさめることとなる。彼は四大悲劇『
ハムレット』、『
マクベス』、『
オセロ』、『
リア王』などを書き、詩人としても多くの
ソネットを残した。その卓越した作品群は、イギリス文学のみならず各地域の文学、演劇などのジャンルに大きな影響を与えつづけている。