『当世コメディア新作法』などでロペ・デ・ベガの提唱した「新しい演劇」(三幕、二重プロット、悲喜劇、王侯貴族と平民の混在、名誉と信仰のテーマ)を継いでいるが、カルデロンはさらに、修辞を駆使した、緻密で哲学的な独自の作風を築き上げた。
生涯に約120本の喜劇と約80編の聖体神秘劇を書いたと言われ、幕間劇や
笑劇なども数十篇残している。名誉(オノール
honor)をテーマにした劇(『名誉の医者』)、いわゆる「マントと剣」のコメディア(『淑女「ドゥエンテ」』)、歴史を題材にした
コメディア(『サラメアの司法官』
El alcalde de Zalamea)、また、現世の移ろいやすさと信仰の重要性をテーマとした哲学劇(『人生は夢』
La vida es sueño)、宗教劇(『驚異の魔術師』、『不屈の王子』)、ギリシア・ローマ神話を下敷とした神話劇(『エコーとナルキッソス』)など、創作の幅は極めて多岐にわたっている。代表作である『人生は夢』 はコメディアと神秘劇の両方が存在する。