『グスマン』は、改悛した主人公が己の悪行の数々を告白するという形の
1人称で書かれている。反省・弁明に終始することも多い。数多くの章から構成され、時に本筋とは関係の無いエピソードも挿入されている点やユーモラスな社会諷刺が添えられている点では『ドン・キホーテ』に似ているといえるだろう。
アレマンは『グスマン』をあくまで教訓書であるというが、研究者の間では「
異端審問所の検閲を避けるため」とも、「小説を読むという非カトリック的な行為を教訓本とすることで正当化するため」ともいわれているが、定かにはなっていない。『ドン・キホーテ』ほどではないが『グスマン』も25版を数え、少なくとも5万部以上印刷されたといわれており、
17世紀のヨーロッパでのベスト・セラー本の1つであった。