掌編群よりなるみじかい小説であり、お月様、
流星、
シガレット、等が頻繁に登場する。ストーリーはおしなべてファンタスティックであり、坂道でポケットからじぶんをおとしてしまった、等、現実ばなれしたものも多い。
物語のなかには、足穂がのちにもおなじテーマを繰り返して小説に書いたものがいくつもあり、登場する小道具もこののちの足穂の小説に繰り返して用いられるので、「一千一秒物語」は稲垣足穂の小説の原型をなすものと言える。1920年頃という昔に書かれたものとは思えないくらいの、モダンで硬質な文章も特徴であり、そのため、もともとは
旧字旧かなで書かれていたことが信じられないという人もある。