悪としてよく扱われるのが、一般に強大な力を保持し、平和を乱し、正義を好まない人物や組織である。平和や正義という抽象的な概念は、人によって考え方は多様であるし、基準も曖昧である。そのため、対象は作品によって異なるが、その時代を風刺していたり、または架空に作り上げたりと行った場合が多い。
勧悪懲悪(かんあくちょうあく)とは、勧善懲悪において、本来であれば悪に値する存在(
強盗、
殺し屋、
闇金、
女衒など)が様々な理由(猛悪に対する正義心や義侠心の発露、仲間の裏切りや取り分の相違、権力闘争、あるいは助平心など)によって、悪と対峙する立場になり、
結果的に(他方の視点からして)悪を懲らしめる、という勧善懲悪と
ピカレスクの融合による応用形。
義賊が典型的であるが、必殺シリーズは「女たらしの按摩師」や「バイトで人斬りをする同心」が「金目当て」で悪と対峙する、というようにさらに「洗練」された形となっている。ただし、単に双方とも悪というわけではなく、主人公側は人情が通じたり、合法的には裁けぬ悪を裁くなど心理的には善、もしくは善寄りであるため、懲罰手段が悪、若しくは所属が悪と同じだけの勧善懲悪であるとも言える。また、勧善懲悪とされるものでも、容赦なく悪人を殺し続ける場合などがあるため、勧悪懲悪との差異は明確ではない。