1976年に刊行開始。
岩波文庫が、すでに評価の定まった
古典を対象としていたのに対し、講談社学術文庫は、「学術をポケットに入れることをモットーにして生まれた文庫」(「講談社学術文庫」の創刊に当たって)という言葉からも明らかなように、主として人文・社会科学系の学術書――ただし、内容的には専門書ではなく高級アマチュアまでを読者対象とする――の復刊を特色とする。初期には、
国文学関係で、
久松潜一、
池田亀鑑といった学者による古典の注釈書を積極的に出す一方、
徳富蘇峰『
近世日本国民史』(のち全50巻)を刊行し、また、哲学では
天野貞祐訳の
カント「『
純粋理性批判』を復刊するなど、どちらかといえば、明治から昭和までの伝統とその現代に通じる価値を訴えるような内容が多かったが、兄貴分にあたる
講談社文庫が哲学・思想系の書籍の刊行を止め学術文庫へ移していることもあり、1980年代後半以降ベストセラーや、
講談社から元版が出たのち文庫化の特徴を強めた。