阿Qという一人の人間を通し、当時の中国社会にはびこる問題を風刺的に描いた作品として、また
辛亥革命の失敗点を強く指摘した作品として評価され、数ヶ国語に翻訳されて出版されている。
作者の魯迅は、日本に留学し、東北大学医学部(当時の仙台医学専門学校)で学んだことがある。そのとき、教室で、日露戦争における中国人露探(ロシア側のスパイ)処刑のスライドを見た。これを契機に、魯迅は、中国の社会改革と革命に関心を深め、人体を扱う医学から社会改革を目指す道に転じた。最後に処刑される阿Qの記述は、中国人露探の処刑とそれを見物する中国人観衆の様子を反映している。